鼠径ヘルニアの症状
鼠径ヘルニア(脱腸)の大きな特徴は、ご自身で太ももの付け根(鼠径部)の違和感を自覚できることです。
太ももの付け根に腫れ・できもの・しこりがある、太ももの付け根に痛みを感じる、立ち続けていると痛みが強くなる、立ち上がったりお腹に力を込めた際につっぱる感じがする、陰嚢に腫れがあるといった症状がみられる場合は、鼠径ヘルニアの可能性があります。早めに受診してください。
放置しておくリスク
鼠径ヘルニア(脱腸)は放置していた場合でも、がんなどの病気のように生命を確実に縮めるというものではありません。しかし、放置すると脱出した腸が出っ張ったまま硬くなってしまい、お腹の中に引っ込まなくなってしまうことがあります。
この状態を「嵌頓(かんとん)」といい、緊急手術が必要になることもあります。嵌頓になってしまうと、我慢できないほどの激しい痛みに襲われるため、救急で受診する患者様が多いです。治療が遅れると、内部で腸が締めつけられて腐ってしまうこともあるので危険な状態です。嵌頓は鼠径ヘルニアになっても一生起こらない方もいますが、緊急事態に陥ると、治療を受ける医療機関や医師を選ぶ余裕はありません。そのため、鼠径ヘルニアの治療では、嵌頓を予防することも大切なポイントとなります。
鼠径ヘルニアの根本的な解決方法は手術以外ありません。放っておくと日常生活を送る上での不快感が続き、さらには嵌頓を引き起こす場合もあります。そのため、早期発見・早期治療をすることが大切です。
鼠径ヘルニアになりやすい方
- 40歳以上、特に男性
- 立ち仕事、力仕事に従事している
- たばこを吸う
- 便秘になりやすい
- COPDの方
- 喘息である、咳をよくする
- 肥満体である
- 出産経験が多い
- 前立腺肥大症の方
- 前立腺癌の手術を受けられた方