鼠径ヘルニア(脱腸)は症状が進行すると、しこり・出っ張りを自分で戻そうとして指で押し込んでも戻らなくなってきます。さらに状態が悪化すると、痛みが強くなったり、腫れた部分が硬くなって「嵌頓(かんとん)」を引き起こすことがあります。
嵌頓(かんとん)ヘルニア
嵌頓(かんとん)とは、飛び出したしこり・出っ張り(腸)が元に戻らなくなってしまう状態です。戻らなくなった腸は、どんどんむくんで締め付けられていき、血の巡りが悪くなってしまい、多くの場合は我慢できないほどの痛みを生じます。嵌頓になると、救急で受診することになりますが、医師が直接脱腸を戻せない場合は緊急手術を行う必要があります。
緊急手術になると、合併症のリスクが高くなります。また、仕事やプライベートの予定が狂ってしまうなどの不都合が出てきます。そのため、鼠径ヘルニア手術は不便さや見た目の改善だけでなく、嵌頓の予防という意味もあります。
嵌頓の緊急手術が必要となる割合は高くありませんが、嵌頓になるかどうかは、鼠径ヘルニアの大きさや発症してからの期間に関係なく、鼠径ヘルニアの種類が大きくかかわっています。嵌頓になりやすいのは大腿ヘルニアと男性の外鼠径ヘルニアと言われています。
嵌頓(かんとん)ヘルニアQ&A
Q,鼠径ヘルニアの大きさと嵌頓(かんとん)ヘルニアになる確率は関係ありますか?
A.基本的には関係ありません。